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sitemaster さんの日記

 
2020
9月 8
(火)
14:50
心を強くする
本文
9月の聖句:わたしはあなたがたを友と呼ぶ。(ヨハネによる福音書15:15)

コロナウィルスの終息はいまだ見えてきませんが、特効薬も、予防薬もない中、最近は「withコロナ」などという言われ方がされるようになり、この感染症とは長い付き合いになりそうです。しかし、それぞれの現場では、「何かあったら大変!」「うちからクラスターが起きたら…」と、不安感はなかなか拭い去れないものがあると思います。

そんな中ですが、保育園では、先々週「年長組おとまり会」が行われました。また、来週の土曜日には「運動会」も、幼児クラスのみの行事として開催いたします。できるだけ感染に気を付けながら、また、子どもたちの豊かな育ちにつなげるために、子どもたちの思いも大切にしながら行事の計画を進めていきたいと思います。

「はこぶねっ子の冒険(障害物走)」の練習も始まりました。年長さんは「竹のぼり」や「跳び箱」「壁越え」「逆上がり」などをする予定です。先日、「壁越え」の練習をしていた時、ある子がうまく壁を越えられず、そのことが悔しくて泣きました。それまで順調にいろんなことができていたのに、高さのある壁越えだけうまくいかず、他の友達のできる姿を見て思わず泣いてしまったのです。

運動会の練習の中で、子どもたちはいろいろな思いをしています。年中年長くらいになると、自分はどんなことが得意で、どんなことが苦手か…といったこともわかるようになってくるので、課題に向かうこと自体が葛藤です。逃げ出したくなる思いもあります。でも反面、できるようになった子へのあこがれの気持ちや、自分もできるようになりたい!と思う気持ちも心の中にはあるのです。常に心は揺れ動きます。

今日の園庭では、こぐま組さんと年長組さんが「リレー」の練習をしていました。リレーは、勝ち負けがはっきりします。勝てばうれしい、負けたら悔しい!当たり前のことですが、リレーである限り、両方勝たせるわけにはいきません。勝ち負けが全てではありませんが、勝つために作戦を立てます。みんなで気持ちを合わせ、力をあわせます。必死になるのです。

そんな心への負荷が、乳幼児期に必要あるだろうか…とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。でも、成功や達成といったプラス体験だけでなく、葛藤や挫折というマイナス体験もまた大切です。人から言われてのプレッシャーではなく、自分自身が感じる葛藤や挫折がきっと子どもたちの心を強くすることでしょう。

今月の聖句は「わたしはあなたがたを友と呼ぶ。(ヨハネによる福音書15:15)」です。イエス様は12人の弟子をお選びになりました。どの弟子も十分な人格や能力を兼ね備えた人物ではありませんでした。そのお弟子さんに対しても「わたしはあなたがたを友と呼ぶ。」とおっしゃって下さるのです。

リレーのチームには、足の速い子がいれば遅い子もいます。チームが負けたとき、悔しさのあまり誰かのせいにしたくなるかもしれません。どんなに足が遅くても、もしも転んでしまったとしても、その子を友と呼び、仲間として力を合わせていくことができるリレーにしたいと思います。
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